菅野静香 かんのしずか

東京都生まれ
女子美術大学大学院(洋画)修士課程修了

制作を「戻れない時間や届かない場所にアクセスするための手段」とし、自身の記憶の断片をモチーフに油彩画を描く

【出品作品について】
旧作「星とつながる」は2015年の作品です。その時期は、当時経験したオペ(体内に2つある器官のうちの1つを摘出)を機に、類似した2つの人物像を並列させた構図の作品を多く描いていました。
その他の近作は、水鏡や動くことによって重複して見える現象など、1つの存在でありながらもそれが2つとなることについて描いています。
前述のオペの際に医師から「残されたもう1つが、片方が消失したことに気が付きその役割をしてくれる」という説明を受け、自分の体でありながらも、自分とは別の意思をもった生き物が体内で働いているような感覚を覚えたことを記憶しています。1つでありながらも2つ分の役割を担うというその文言は私の中に印象的に刻まれており、今回新たに描いた作品にも影響を与えているのかもしれません。