伴田良輔作品展 「MANIERA」
会期:2016年2月19日(金)〜3月6日(日) 12時〜19時 月曜・火曜休
■オープニング・レセプション 2月19日(金) 19:00−21:00
■ギャラリートーク 3月4日(金) 19:00-20:30
「女体の奏でる音楽」 *ゲストあり
《要予約/参加費:1,000円/1ドリンク付》 ご予約は、こちら。
伴田良輔が新たに挑んだ版画技法”フォトグラビュール”作品を中心に、過去の彼自身のエポックメイキングな写真集からセレクトしたプリント、また、ポラロイドや立体作品など、さまざまなマニエラ(技法)による表現をご覧いただきます。
フォトグラヴュールについて
フォトグラビュールは19世紀末から20世紀はじめにかけて開発され、多くのすぐれた作品を生み出した写真プリント技法である。光に反応するメディウムを銅版に塗布してイメージを感光させ、そこに腐食液を浸すことよって凹版をつくる。その凹部にインクを埋め込み、プレス機によって版画用紙にイメージを写しとる非常に手間のかかる技法だが、イメージがオフセット印刷のように網点で構成されていず、メディウムを通過する光の量が生み出す版上の刻印の深さ(インクの量)の差だけて、白から黒の連続諧調を表現する。アルフレッド・スティーグリッツが創刊した「CAMERA
WORK」誌(1903〜1917)で多くの写真家がフォトグラビュールを制作、発表したが、現在では貴重な表現技法になっている。私はフォトグラビュールにしか表現できない光のグラデーション、網点ではなくインク量の差異による繊細な立体感に魅せられ、現代の日本人女性を被写体にヌード作品シリーズを制作している。女性の肉体の陰影だけでなく、被写体がもらした溜息や呼吸音がすぐそばで聞こえてくるような空間を版画用紙に定着させたいと願っている。
伴田良輔 Ryosuke Handa
伴田良輔
1954年京都生まれ。デビュー作の『独身者の科学』(冬樹社1986、河出文庫1989)において、エロス図像とアフォリズム(言語)のカットアップ手法で漫画、デザイン、音楽などさまざまなジャンルを超えて支持を得る。作家活動の一方、1989年よりオリジナル技法による版画家として作品を精力的に発表、日本具象版画展で
池田満寿夫賞(1988)を受賞したほか、クラコウ国際版画ビエンナーレや国際版画写真展(米/フィラデルフィア)、さっぽろ国際版画トリエンナーレ展などで受賞。
フランスで開かれた展覧会でそのオリジナル技法の名称を“photo-empreinte(フォト・アンプラント)と名付けられる。empreinteは「指紋」の意味である。
女優写真集に『EROTISSIMO』(濱田のり子)、『OBJET D'AMOUR』(高部知子)など。一般女性の乳房を撮影した写真集のシリーズに『鏡の国のおっぱい』『THE
BREASTS/乳房抄』、同じく一般女性のヒップを撮影した写真集に『HIPS/球体抄』がある。また、猫家建築家としての写真集『にゃんハウス。』をこの2月20日に上梓。
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RYOSUKE HANDA "MANIERA"
19 February Fri. - 6 March Sun., 2016
12:00-19:00 closed on Monday and Tuesday
Opening reception : 19 February Fri. 19:00 - 21:00
Artist talk : 4 March Fri. 19:00 - 20:30
"The music played by women's bodies"
Reservation required / admission 1,000 yen / with 1 drink
Ryosuke Handa will be showing numerous “MANIERA” (techniques) centered
mainly on his “photogravure” works implementing the hanga style he has
recently returned to challenging, and also featuring selected prints from
his epoch-making photo collection, Polaroids, and objects.
Ryosuke Handa
Ryosuke Hanada (born in Kyoto, 1954) made his creative debut in 1986 with,
"Bachelor's Science". The book used cut ups of erotic iconography
and aphorisms. The work gained high praise from his creative peers in music,
comic illustration, and design.
In 1989 he won the Masuo Ikeda Prize, and has also been acknowledged by
an award at the Cracow international print Biennale. His international
reputation includes exhibitions in Philadelphia, (USA) and domestically
has shown work at the Sapporo international prints exhibition. When he
held an exhibition in France, his original technique was described as "photo-empreinte".
"Empreinte" means "fingerprint" in French.
His work is published in the photo books, "EROTISSIMO (featuring actress
Noriko Hamada) and "OBJET D ' AMOUR" (actress Tomoko Takabe).
Other photo books include the series, "The Breasts in the looking
glass" and "THE BREASTS", and also "HIPS".
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